在来工法と伝統構法?耐震性の違いとは??

202地震の発生暦をみても、先の様な大地震が数十年単位、最長でも100年単位で起きていますが、何故、古民家と言われる建物は、マスコミ報道をみても壁は落ちていても、倒壊していないのだろう?何故、古いタイプの在来軸組構法の建物は倒壊しているのだろう?素朴な疑問からはじまります。

皆さんが木造で新築・改築計画をされる際、必ず一度は耳にする在来(木造)軸組構法とは耐震的な剛構造で近代構法ともいえる構法のひとつです。いわゆる古民家といわれる伝統構法とは柔構造と木材の特性を利用した二つの考え方の免震的な構造で、在来構法と伝統構法両者の地震に対する考え方は全く違います。

 

湘南 ワイズ

格子の耐力壁。少しづつ民間の力で国も伝統の建築を認めはじめてはいます。

 

現在、街中で見られるほとんどの木造の建物は在来軸組構法になりますが、現在の木造軸組工法というのはいつから始まったかというとこの歴史は以外にも浅く、おもに戦後と言うことになります。なぜ、戦後になってから筋違(耐力壁)を使った工法が現れたかというと、それは家の需要に対して材料の供給難にあった事や高度成長期も大きく影響している様です。分かりやすく説明すると、『より細い(少ない)材料で』『あまり技術を要しない』『早い工期で』などがあげられます。それに建築基準法の制定・昭和25年が近代在来構法により拍車をかけたようです。それにしても近代の在来構法建築の歴史は浅いですね…

 

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伝統構法の免震的構造とは、地震の揺れを各部で吸収して、地震エネルギーが建物に伝わり難くした構造です。耐震構造は、地震力に対して構造自体で激しい揺れに力で対抗しようとする構造です。伝統構法は締め固めた地面に石を置き、その上に柱を建てます。壁は柱と柱を通し貫で繋ぎ、竹小舞や⇒木小舞に土壁を塗る。地震等の外力が加わった場合、壁は土壁が壊れることで外力を吸収し、木組だけで固められた構造体はしなり、強い外力が加わって柱が石から外れ傾いたとしても構造体は壊れることはありません。因みに崩落した土壁は、拾い集めて、また水を加えればちゃんと再利用可能なのです。弊社でもご希望で採用される方が増えている『制震ダンンパー』は地震に対抗するのではなく、吸収する考え方の部材なので、耐力壁ではなく、むしろ土壁に近いのです。

 

湘南 ワイズ土壁が落ち、傾きはしますが倒壊はしない。これが先人の知恵なのです!

 

在来工法の耐震的構造とは地面と一体となった基礎に構造体が緊結されていますから、地震等の外力がそのまま構造体に伝わります。外力に対し、柱や梁といった構造体は伝統構法ほど太い材を使わずに抵抗する耐力壁と呼ばれる壁に筋交いや面材を使い、金物で補強します。柱を使って家を建てるという構法を木造軸組構法といい、筋交い、付属金物や構造用合板で壁量を確保し、この壁量の確保で、家を建てるという構法を在来構法といいます。

伝統構法は壁量に頼らず、構造架構、すなわち木組みそのもので家を建てるということで、壁に力を求めず単なる間仕切りと考え、大きな木を柱と梁として力強く組み合わせることによって耐力を生み出す考え方です。現在、我が国で建築されている木造軸組構法住宅の99%が在来構法であり、伝統構法は1%程にしかすぎないと考えられます。伝統構法は木組架構そのものでありますから、長年にわたり受け継がれて来た型があり、それに居住性・現代性を求め、型を変形させてきています。構造そのものの美しさがある建物です。

 

 

湘南 ワイズ近代建築にも先人の知恵である木摺+砂漆喰の壁は利に適っています

 

近代では、建築基準法という国が定めた法律を無視して建築をする事は違法です。この法律の歴史をみても、国が伝統構法に対しての理解や性能について蔑ろにしてきてしまった現実もあります。今になって伝統構法が見直されているのは事実ですし、国が率先して進めてきてしまった在来構法に短所が見つかっても後戻り出来ない現状もあります。

何も伝統構法を率先して建てよう!ではないのです。近代科学の粋の設備や地域なりのデザインがあっても良いのです!!ただ先人の知恵に学ぶ所は学び、現代建築に活かすことは可能ではないでしょうか?

フランスの建築基準法の冒頭の第一条には【建築は文化の一表現】であることを高らかに謳っております。わが国の建築基準法が技術的な最低限の基準を遵守させようとしているのとは、性格が大いに異なっていることがわかります。 フランスだけではなく、世界に誇るべき歴史がある日本です。文化だけでなく、風土や伝統を無視してまで…近代日本に文化継承を求めるのは酷なのでしょうか?建築の世界においてですが、世界中の笑われ者なのです!自国の文化や伝統を蔑ろにする国ですもので…何か嘆かわしいですね…日本人として皆さんはどう思われますか?

 

余談が続きましたが、今回のまとめ!

在来構法=耐震的「剛構造」

伝統構法=免震的「柔構造」

と覚えて下さい!

 

 

湘南 ワイズは地域の建築を創造していきます


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