構造計算と壁量計算

この記事をご覧になっている方は、これから木造建ての建物を新築、改築などされようと計画されている方が多いと思いますが、そういった皆様が家づくりを計画する上で家に求める事のひとつとして、又は気になる点として『耐震』があると思います。今回は、家づくりに携わるプロでも間違っている?勘違い?している事も多々ある(有ってはいけない事ですが)、構造計算と壁量計算の違いについて話をさせて頂きます。

これから家づくりをされる方々は勿論の事、既に家づくりが完了してしまった方々にとっても、御家族の命や財産を守る為に非常に大事な話なので、長文になりますが、少し時間を割いてでもご覧頂ければと思います。

最近のTVなどの報道でも、我々の住む神奈川または近県の地域でも、震度6以上の地震が起きる確立は30%以上。発表されたグラフを見ると26%~100%に色分けされています。確立100%?はともかく、今までの途方無く長い、自然界の歴史をみても、数十年から数百年単位で地殻変動が定期的に起きていますので、確立的に言っても、決して好まなくとも地震は起きてしまうのでしょう。

昨年も熊本で大きな地震があり、家屋の倒壊で亡くなった人も多く、より家づくりにおける『耐震』への関心は高まざる得ないかも知れません。熊本の地震をみると、比較的新しい木造住宅が多く倒壊または大きな損傷をおってしまっています。TVでは何故か余り報道されませんが、その倒壊した建物の中には、耐震を売りにしている大手ハウスメーカーの建物も含まれている事を覚えておいて下さい。何故、比較的新しい建物が倒壊してしまうのか?

それはしっかりとした設計計画を行ったにも関わらず、技術不足や施工不良で起こってしまった事例も少なく無い様で、家づくりに携わる者として、論外と言うべき失態ですが、それとは別の原因で、そもそも建物の設計計画自体に問題があり、起こるべくして、起こってしまった被害も少なからずあるのでは?と感じています。どちらにしても天災では無く、人災と言うべき事柄です。

 

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そこが今回のテーマである『構造計算と壁量(へきりょう)計算』による違い・・・が起因しているのでは?とY’sは考えています。

まず、国内の住居用途の木造建築物は、ほとんどが木造軸組(在来)工法で建てられています。在来工法と伝統工法の工法的な違いも大きく耐震に関わります。私共、Y’sも伝統工法と在来工法を規模や用途、コストにより、使いわけていますが、在来工法は、比較的新しい工法で、前後、高度成長期に手間がかかる伝統工法では、市場への供給が追いつかず、比較的簡易に建てる事が可能な工法として、1960年前後から多く普及してきたと言われています。今回は、それらの工法上の違いの解説は別の機会にさせて頂く事とし、あくまで現在の国内の木造建築物での主流工法である、軸組(在来)工法の話をしたいと考えています。

建物の計画を行う際、一般的には、建設会社か設計事務所など、建築士のもとを訪れる事になります。間取り計画をはじめ、屋根や壁、キッチンなどの設備機器などの仕様や色など建築士と相談をしながら設計を進めると思います。その中で間取りや機器の仕様を決める際は、個人の趣味趣向を反映出来る様に意見や要望を伝えられると思いますが、耐震設計や構造(柱や梁などの架構)計画は、完全に建築士なりに任せきりになるのでは無いでしょうか?

 

『建築士に任せておけば安心!安全!』とお考えの方

と考え、話を聞いてもよく理解が出来ない、複雑な工法や構造の話は、完全の建築士任せになる事も多いのでは無いでしょうか?確認をするにしても、何を確認して良いかも分からずに・・・相手はプロだから・一級建築士だから・大手だから・有名な建築家だから、、、、などなど、ほぼ任せきりの状態。

営業や設計、現場監督などの担当者からも『構造計算をしているので安心して下さい』と言われれば、信頼するしか無いのではないでしょうか?ここが重要なポイントなのです。

構造計算』には、大まかに2つの種類があります。それが『構造計算と壁量計算』になります。

一般的に『構造計算』と言われているものは、一般的な規模の木造在来工法の構造計算を行う場合、専門知識をもつ者が構造計算の専用ソフトなどを用いるなどして、30坪程の建物でも数十枚から数百枚のページにわたり、詳細な計算を行う『構造計算=許容応力度計算(以下:構造計算)をさしています。

もうひとつは『壁量計算』といわれるもので、簡単に説明をすると、電卓で計算が出来るほど簡易な方法で、所要時間も計算だけなら数分、枚数はA3の図面1枚程度に入ってしまう程度のものです。この方法は、その昔、今ほど構造に対する規制も制限も緩く、理解も少なかった時代、構造計算を理解していない建築士や大工職人達でも、耐震や構造耐力を最低限でもクリヤーさせるべく出来た、非常に簡易な計算方法だと理解して頂ければと思います。

 

ここが重要!

いずれの方法も概念的には『構造計算』に間違いはないのですが、この二つは似て非なる物と言って良いほどの違いがあります。営業担当や現場監督などは、この違いを全く理解せずに施主にアナウンスしている場合が非常に多いのです。

表をご覧下さい。

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一目瞭然、本来、木構造計画に必要な柱や梁などの部材の必要サイズや強度。接合部の強度、2階建の場合の上下階のバランスなど、壁量計算では算定、算出する事は出来ないのです。とても怖い事だと思いませんか?一般の方は、上記にある全ての項目は、当たり前の様にすべて専門知識をもつ建築士が計画をしていると思っていると思いますが、実際は、行っていない方が圧倒的に多いのです。それでは構造計算を行っていない業者は何を根拠に重要な梁や柱などの必要サイズを算出しているのか疑問に思いませんか?その実態は、スパン表と言われる表を用いて、おおよそ、大丈夫だろうの寸法材を用いているのです。実際の家づくりは、スパン表の想定の建物とは違います。平面計画も立面計画も形も規模も屋根も壁も違うにも関わらずです。

実際にモデル建物で、壁量計算と構造計算を行ってみると、壁量計算で壁量の規準に適合した結果が出ても。構造計算してみると、20~40%程強度が不足する結果が出てしまいます。本来、個々の建物について、詳細に構造計算を行い、設計計画を立てるのが当たり前だと思うのは私達だけなのでしょうか?

何故、全ての木造建築物に対し、構造計算を行わないのか?

木造2階建て住宅等の四号建築(法規上の分類)が構造計算されない理由を考えてみます。 先ず四号建築とは建築基準法第6条1項四号に当てはまる建物で具体的には・・・

●100㎡以下の特殊建築物もしくは特殊建築物以外(住宅・事務所)の建物

●木造で2階建て以下かつ延べ床面積500㎡以下かつ高さ13m以下かつ軒の高さ9m以下

●木造以外で平屋建て以下かつ延べ床面積200㎡以下

の条件を満たすものです。

建築基準法第20条第1項四号にて木造2階建て住宅等の四号建築は耐震性等の構造耐力について

●イ 当該建築物の安全上必要な構造方法に関して政令で定める技術的基準に適合すること。

●ロ 前三号に定める基準のいずれかに適合すること。(=構造計算を行うこと)

のいずれかに適合する事を必要になります。法律の条文なので分かりにくいと思いますが、つまり一般的な規模の木造2階建て住宅等の四号建築はこのイの方法を採れば建築基準法上は構造計算書が無くても、建築を行う際に検査機関に申請を行う確認申請が出来る事になります。 さらに木造2階建て住宅等の四号建築は建築基準法第6条の3三号にて建築士が設計をすれば壁量計算書や構造関係の図面を確認申請に添付しなくて良いとされています。

建築士だから当たり前の様に構造計算は行っているとの前提で、申請時もそれらの計算根拠を提示しなくて良いと言っているのです。※業界では『四号特例』と呼ばれています。つまり、木造2階建て住宅等の四号建築は構造計算が義務づけられていないだけで無く、耐震性などの構造耐力に関わる仕様規定を満たしているかの計算書や図面も確認申請に提出を求められず、本当に法律に適合しているのかすら誰にもチェックされないのが現状です。とても怖い事だと思いませんか。

一般に皆様が見られるTVや新聞では、これらの案件は、何故か一切報道がされません。一般の方々は、これらの情報や話題について、目にする事も耳にする事も無いと思います。業界内でも、ことあるごとに、個別に構造計算を行うべきと考える人も多く、四号特例の廃止が叫ばれているにも関わらず、何故かいつも立ち消えになってしまいます・・・。

あえて誤解を恐れず書かせて頂きますが、どんなに著名な建築家であっても、年間何十、何百棟を建築している大手建設会社でも、皆様の家の設計を行う建築家、建築士が構造的な知識や計算が出来ない事が多いのが現実です。構造計算のみを行う業者に外注依頼すれば良い方ですが、それすらも行っておらず、壁量計算を構造計算と取り違えている業者が多い事を忘れないで下さい。そして決して言葉に惑わされず、騙されないで下さい。

Y’sでは、家の規模やコストに関わらず、全棟、自社にて構造計算を行っています。構造計算の相場は20~30万円となっていますが、Y’sでは家づくりの為の構造計算を行うのは、設計者として、つくり手として当たり前!との考えから一切、計算費用は頂かず、全て無料にて行っています。

 

これから計画を行う方々や既に建築が済んでられる方々は、建築会社または設計者に対し「構造計算を見せて下さい」若しくは「使用構造材のサイズや強度の根拠を教えて下さい」と聞けば良いのです。それだけで皆様でも安心して暮らせる家が出来ます。

決して難しい事でも、失礼にあたる事でもありません。

御家族の命や財産を守る為に是非、実行し確認をして頂きたいと願います。

 

こちらもつくり手に質問必須のお話です

【Y’sで使う材 木】 無垢材とは?

是非、参考にして頂ければ・・・

古材と土の家①へ ⇒コチラ

古材と土の家②へ ⇒コチラ

「Y’sで使う材」の記事は⇒コチラ

宜しければコチラのY’sの裏話もご覧下さい!

湘南 ワイズは地域の建築を創造していきます

 


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