【レポート】 2016西川材見学ツアー

5/28(土)に埼玉県飯能市にて西川材見学ツアーを行いました。

家づくりを計画しているご家族と、既に住まわれている方も参加頂ける様に、

今回のツアーは『無垢の木を知る』為の企画として行われました。

 

伐採から製材、乾燥に至るまでの一連の現場見学は勿論、普段住まう家の木のメンテナンスも学んで頂ける機会となりました。

 

【西川材とは?】

西川材とは、江戸時代に、江戸から見て西側に位置する荒川水系の入間川の水運を利用して江戸へ木材を運んだことから、西川材と呼ばれるようになりました。

江戸の町を作ったと言われている程、たくさんの良質の木材を供給していたようです。

江戸時代より現在に至るまで何世代にも渡って、手入れを重ねてきた森林の中で西川材は育てられています。

若木の時より枝打ちをして、節(=ふし)が残らないようにしたり、

間伐を行うことで、より生命力の強い木が生き残るように丁寧に管理されています。

ワイズ 建築 西川材 森林 杉 桧

木の伐採は本来は秋から冬にかけて行われますが、今回は特別に1本伐採して頂きました。

倒れる方向を見定めて、チェーンソーで切り込みを入れていきます。

 

ワイズ 建築 自然素材 西川材 伐採

最後の切り込みを入れ、

大きな轟き音を響かせて倒れます!!

 

ワイズ 建築 西川材 伐採 自然素材

通常はお二人で切り倒すそうですが、

今回はワイヤーを張ってお一人で切り倒して頂きました。

 

ワイズ 建築 西川材 自然素材 伐採

切り倒した直後の切り口は触ってみると、しっとりとしています。

木は根から水分や栄養分を吸収して、木の上へと導管を通して運びます。

伐採直後は水分をたくさん含んでいます。

 

ワイズ 建築 自然素材 西川材 伐採

皆さん、切り口がどうなっているか興味津々!

 

伐採の様子はコチラの動画もご覧ください!

 

ワイズ 建築 自然素材 西川材 葉枯らし 天然乾燥

伐採した木は葉を付けたまま3~6ヶ月程、山中にて寝かせます。

葉からの蒸散作用により、木の水分を少しでも減らすためです。

 

通常、秋に伐採し、春ごろに葉枯らしを終わらせ、山中より運び出します。

秋から冬にかけて、木は成長を止め、木の細胞が密になり強い材となるからです。

また、西川林業地の特徴として、「立て木」という習慣があります。

通常は50~60年の樹齢の木を伐採して製材、販売していますが、

1ヘクタールにつき10数本は100~200年もの年月をかけて大切にしながら大きな木に育てています。

いざというときの備えであったり、山林の境界の役割を果たしていたとも言われています。

ワイズ 自然素材 西川材 立て木 

数十年前に伐採された大きな「立て木」の切り株です。

 

【製材】

木を運び出してからは、製材所にて柱や梁、床板などの部材になるように形を整えます。
今回は、桧材の梁を製材して頂きました。

 

ワイズ 建築 自然素材 西川材 製材

製材前はまだ樹皮がところどころ付いている丸太の状態でした。

 

ワイズ 建築 自然素材 西川材 製材

少しずつ切断していきます!

 

ワイズ 建築 自然素材 西川材 製材

そして、最終的には、丸太から梁の形になりました。

 

ワイズ 建築 自然素材 西川材 製材

このあとは、また乾燥と製材を繰り返し、出荷されるのを待ちます。

 

製材の様子はこちらもご覧ください。

 

 

【鉋がけ体験】

伐採、製材の現場を見学したあとは、ストックヤードへ移動します。

日頃、Y’sの家づくりに携わる大工による鉋がけの実演を行いました。

 

ワイズ 建築 自然素材 西川材 鉋がけ 天然乾燥

天然乾燥材(左)と人工乾燥材(右)、鉋をかけると違いが分かります。

ワイズ 建築 自然素材 西川材 鉋がけ

大工さんと一緒に初めての鉋がけ体験♪

ちょっと難しかったかな?

 

鉋がけの様子はコチラもご覧ください!

【ものづくりワークショップ】

お昼は、湘南村でもおなじみ「漆喰かまど」で炊く美味しいホカホカごはんです!

 

漆喰かまど ごはん ワイズ 西川材

漆喰かまどで炊くごはん♪

美味しいだけでなく、鉄分がお米に浸透して栄養価も高くなります。

 

ワイズ 漆喰かまど 西川材

川魚のヤマメの干物も美味しかったですね~

 

ワイズ 西川材 漆喰かまど

盛りだくさんのご飯の御供!

 

さて、お腹いっぱいになったあとは、ものづくりワークショップです。

今回は「ぬか袋づくり」「うづくり体験」の二本立てでした!

木目には、白っぽく柔らかい「夏目」と黒っぽく硬い「冬目」があります。

春から初夏にかけて木はよく成長するので、水や栄養分を運ぶ導管が太くなり、年輪の幅も大きくなり柔らかくなります。

一方、夏から秋にかけては木は成長を緩め、冬には成長を止めます。その結果、導管は細くなりますが、密集するので色が濃くなり硬くなります。

この柔らかい「夏目」と硬い「冬目」の違いを利用して、今回は足踏み健康グッズを作りました。

ワイズ 建築 西川材 うづくり 自然素材

ゴシゴシ木の表面を擦ると、夏目だけが削れて硬い冬目は残ります。

触るとデコボコしているのが分かります。

 

ワイズ うづくり ワークショップ 西川材

「うづくり」というカヤの根っこを束ねた小さな箒のような道具を使います。

 

もうひとつ皆さんに作って頂いたのが、「ぬか袋」です。

お米の精米時に出る「米ぬか」を布で包み、てるてる坊主のような形にして輪ゴムで縛るだけ!

米ぬかから出る油分がワックス効果を生み、無垢材を汚れから守ります。

すぐには効果は出ないかもしれませんが、ちょっとずつ気が付いたときに、ぬか袋でごしごし無垢材の表面を撫でると、

だんだんワックス効果が出てきます。是非、ご家庭でも使って下さいね。


ワイズ ぬか袋 西川材

【最後に・・・】

皆様のこれからの家づくりや、今お住まいのお家のメンテナンスに少しでもお役に立ちましたら嬉しく思います。

また、不慣れな点がありまして御迷惑をお掛けして申し訳ございませんでした。

圏央道で繋がり、西川林業地ともわずか1時間足らずで行き来できるようになり、西川材をより身近に感じて頂けたのではないかと思います。

また機会がありましたら、御一緒に行きましょう!

この度はありがとうございました。

 

◆前回(2014年)のレポートも宜しければご覧ください ⇒コチラ

◆ぬか袋の作り方が気になった方は・・・ ⇒コチラ

宜しければコチラのY’sの裏話もご覧下さい!

湘南 ワイズは地域の建築を創造していきます!


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