漆喰とは!?自然素材の真実②

◎漆喰とは?

自然由来の素材(自然素材)のひとつに漆喰(しっくい)があります。

 日本での原始的な漆喰は縄文時代からあったとされており、世界最古の例は5千年前のエジプトだそうです。漆喰と言っても、本漆喰・下地などに使われる事の多い砂漆喰(本漆喰に砂などを混ぜたもの)・土佐漆喰・琉球漆喰 他など多くの種類があります。皆さんも一度は見た事があると思いますが、あの白いスベスベした壁が本漆喰と言われるものです。

 

湘南 ワイズ

 

その作り方を簡単に説明しますと、主原料である消石灰に、海藻糊(海草を炊き抽出したもの)を粘着剤として入れ、割れを防ぐための「つなぎ」である麻などの繊維「スサ」を加え、これらを水で練り上げ作ります。

 ここで大前提として書いておきますが、本来、本漆喰は左官職人が使用に応じて自らが調合し作るものであって、既調合品(既製品)で買ってくる物ではありません。製品化されている漆喰と名乗って販売されている商品の中には、ナイロンやガラスなどの化学繊維を混入した製品や施工性を良くする為に合成樹脂(化学物質)や化学糊を使用している物、樹脂顔料を混ぜて色を付けた商品などがあります。市場の製品に多い、DIYをうたい文句に「ビニールクロスの上から塗れる漆喰」「石膏ボードに直に塗れる漆喰」「ローラーで塗れる漆喰」「カラー漆喰」などの商品から「消石灰を使用していない漆喰」などはもはや漆喰ではありません

バケツ一杯の材にスプーン一杯の消石灰が入っているだけで漆喰を名乗るような物まであります。それらは本来の漆喰と比べ強度も劣り、性能や性質も大きく異なります。

 

◎本物の漆喰がもつ性能とは?

 近代において新建材が多く使われる様になってから起きたシックハウス症候群や、化学物質過敏症の原因の主たるものとされるホルムアルデヒドなどシックハウスの主原因ともいわれる化学物質の吸着分解の機能があるものとして注目を浴びているからか、漆喰は部屋の壁や天井などにも多く使われる様になってきました。漆喰自体の性質であるアルカリ性から、抗菌や防カビなどの効果も期待できます。

 漆喰を塗ると水が蒸発した後、ほぼ石灰の固まりになります。そして、漆喰(石灰)は酸素ではなく、空気中の二酸化炭素を吸いながら、長い時間をかけて硬化(石化)するのです。その速度は厚さ1mmに対して、約10年とも言われています。通常、本漆喰は3mm程度を塗っていきます。そうすると約30年間、石化するまで性能を発揮してくれる計算になります。

 

木摺漆喰

木摺漆喰(砂漆喰・瀬戸漆喰)

 

ところがローラーで仕上げられる商品の厚さは0.3mmすらないのでは? これでは材の性質が仮に同じだとしても本来の性能とはほど遠いですね。安かろう(とは言っても価格はビニールククロスの数倍)、悪かろうでは家の為にもお財布にも、何より健康の為にもメリットにはなりませんね。

お子様のアトピーやシックハウスなどを気にされ、自然素材での家づくりを希望される方に来社を頂く機会が多いので、これらの薄塗材が採用された際は、細かく解説・説明をします。

ビニールクロス(の性能が低いので)よりは性能があがりますが、本来の漆喰とは性能、性質があきらかに劣る別物…と説明をさせて頂いています。

そして、気になるコストですが、ビニールクロスと比べれば導入コストは高くつきますが、それがデメリットな側面なのでしょうか?

実はデメリットにはつながりません。それは、自然素材の本当のメリットとは…またの機会に

 

◆「珪藻土とは!?自然素材の真実①はコチラ

      弊社では【瀬戸漆喰】の開発や研究に携わり一般販売も行っています。こちらへ

 

 

湘南 ワイズは地域の建築を創造していきます


コメントはまだありません

Sorry, the comment form is closed at this time.