『手刻み』 ~街にある土壁の家 vol.2~

自社の加工場にて。

大工の手で、ひとつひとつ細かく加工されています。

 

構造材には、すべて埼玉県の優良木材“西川材”。

日本は、国土の約70%が森林で覆われ、先進国の中でも世界有数の森林大国です。

しかし、それにも関わらず木材の自給率は30%にも満たないのが現状であり、

神奈川においては、本州(沖縄を除く)でもっとも自給率の低い地域とされています。

 

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なぜ、今、国産の木材なのでしょうか。
戦国時代後の日本でも建築ラッシュがありました。林地が荒れ、災害に見舞われると伐採が制限され材木の価値が
上がったため、木材を受け継ぐという風習が当たり前に存在していました。しかし高度経済成長期に入ると、
「手間のかからない安価な輸入材料」が広まり、無垢とは性能がまったく異なる「集成材」や無理な乾燥を施された木材が
使われるようになりました。そのため、戦後に植えられた良質な木が、十分な世話を受けられないまま、多く残されること
になったのです。日本で育った木は、日本の気候に最も適し、生まれたその地域が一番過ごしやすい。
「地産地消」は誰もが心掛けるべき、ひとに、環境にやさしいサイクルです。

 

 

土台には湿気に強く乾燥性に優れる桧を採用。その主成分であるヒノキ油精分には防虫効果があります。

 

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近くにいるだけで、とてもいい香りです。

 

現在では新築の木造住宅の約80~90%は、プレカットを採用しているといわれます。

プレカットとは木材の仕口・継手の加工を大きな工場でコンピューターにより

加工をすることです。機械の仕事であるため、その精密性はとても優れ、時間もかからずに済みます。

しかし、その分木のくせまでを見極めた加工はできず、更には接合部が固く“あそび”がなく、加工されている部分を痛めてしまうこともあります。

生きている木には適さないのかも知れません。

 

一方“手刻み”とは、一本一本の木にある「くせ」を読みながら、大工が手作業で加工をしていくことです。

時間と手間は必要ですが、育った姿のままの木(無垢)の性質を生かす加工ができます。

また、ボルトなどの金物の力を頼りに構成される「在来工法」と比べると

手加工の仕口・継手は、複雑な噛み合わせで固定する「伝統工法」のつなぎ方であり、

地震が発生した際に、木材同士の接合部が揺れて曲がり、緩むことで、その力を吸収し逃がす役割があるのです。

 

『手刻み』とは、

本当の木を使うからこそ必要な技術なのです。

 

 

 

 

 

湘南 ワイズは本物の自然素材で地域の建築を創造していきます

 

 

 

 


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