埼玉産“西川材”

2012年9月3日、埼玉県飯能市にある『フォレスト西川 阿須工場』を訪れました。

[フォレスト西川]さんでは、伝統ある“西川材”を現代に生かすべく、木を知り尽くしているからこそ出来る“ものづくり”を提案し、美しい生活文化の創造を目指しています。

 

 

 

西川材は、埼玉県産の優良木材として首都圏を中心に使用されています。この材の産地である埼玉県の南西部、荒川支流の入間(いるま)川、高麗(こま)川、越辺(おっぺ)川の流域を西川林業地と呼んでいます。『西川材』という名は、江戸の昔、この地方から伐り出した木材を筏(いかだ)に組み、川を下って江戸に運んだことから『西の川から来る良い材木』という意味で、名付けられたと言われます。首都から最も近いところで供給される良材として、江戸~東京の街の発展を支えてきたのです。

 

西川林業地と呼ばれる地域の大部分は秩父古生層からなる褐色森林土で、平均気温12~14℃、平均降水量1700~2000mm、降雪は年3~4回と、穏やかな気候と豊かな土・水に恵まれ、良質な杉・桧(ヒノキ)の育成に適しています。

 

 

西川材の特徴である【立て木】。

立て木とは、古くからの知恵で、主伐時に1ヘクタールあたり10~15本程度残し100年から200年の長期に保存するもので、山の利益を上げながら大径木を育てようという、持ち主の“特別な出費”の為の備えでした。その為、今現在に至ってもある程度量の大径木が残されているのだそうです。木の年輪巾は、気候や木により様々ですが、10年かかって数センチと言われます。今現在残されている大径木は長年の手入れや適切な管理が必要です。人間の知恵の奥深さに感心するお話でした。

 


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